专利摘要:
基板を用意する工程、該基板に、オルガノシロキサン化合物を含むフォトパターン化可能な堆積阻害材料を適用する工程、そして該堆積阻害材料をパターン化する工程を含むパターン化薄膜を形成する原子層堆積法。該薄膜は該堆積阻害材料を有さない該選択された基板領域内だけに実質的に堆積される。
公开号:JP2011505588A
申请号:JP2010534936
申请日:2008-11-10
公开日:2011-02-24
发明作者:マリー アービング,リン;ジェローム カウデリー−コーバン,ピーター;キャロル フリーマン,ダイアン;ヤン,チェン;ハワード レビー,デイビッド
申请人:イーストマン コダック カンパニー;
IPC主号:G03F7-40
专利说明:

[0001] 本発明は、選択領域堆積によってパターン化膜を形成する方法に関する。具体的には、本発明は、堆積阻害材料化合物としてフォトパターン化可能であるオルガノシロキサン化合物を含有する組成物を使用する方法に関する。]
背景技術

[0002] 今日の電子装置は、時には比較的大型の基板上に、電気的又は光学的に活性の材料から成る複数のパターン化層を必要とする。電子装置、例えば高周波識別(RFID)タグ、太陽光発電装置、光学及び化学センサは全て、電子回路における或るレベルのパターン化を必要とする。フラット・パネル・ディスプレイ、例えば液晶ディスプレイ又はエレクトロルミネッセント・ディスプレイ(例えばOLED)は、バックプレーンの薄膜構成部分を形成するために、正確にパターン化された連続層に依存する。これらの構成部分は、キャパシタ、トランジスタ、及び電力バスを含む。業界は、性能向上及びコスト軽減の両方のために材料堆積及び層パターン化の新しい方法を引き続き模索している。]
[0003] 薄膜トランジスタ(TFT)が、多くの薄膜構成部分に関する電子的論点及び製造上の論点の代表と見なされる。TFTは、電子装置、例えばアクティブ・マトリックス液晶ディスプレイ、スマートカード、及び種々の他の電子デバイス及びこれらの構成部分におけるスイッチング素子として、幅広く使用される。薄膜トランジスタ(TFT)は、電界効果トランジスタ(FET)の一例である。FETの最もよく知られている例は、MOSFET(金属酸化膜半導体−FET)であり、これは高速用途のための今日のコンベンショナルなスイッチング素子である。トランジスタが基板に取り付けられる必要のある用途では、薄膜トランジスタが典型的に使用される。薄膜トランジスタの製作に極めて重要な工程は、半導体を基板上に堆積することを伴う。目下のところ、たいていの薄膜デバイスは、半導体として、真空堆積された非晶質シリコンを使用して形成される。半導体は、伝統的なフォトリソグラフィ法を用いてパターン化される。]
[0004] TFTにおいて使用するための半導体としての非晶質シリコンは、依然としてその欠点を有している。トランジスタの製造中における非晶質シリコンの堆積は、ディスプレイ用途にとって十分な電気的特性を達成するために比較的難しい又は複雑なプロセス、例えばプラズマ支援型化学蒸着堆積及び高い温度(典型的には360℃)を必要とする。このような高い処理温度は、そうでなければ可撓性ディスプレイのような用途で使用するのに望ましいはずの特定のプラスチックから形成された基板上に堆積するのを許さない。]
[0005] プラスチック又は可撓性の基板上に薄膜半導体を堆積することへの関心が高まっている。なぜならば具体的には、これらの支持体は機械的に堅牢になり、軽量になり、そして例えば、ロール・ツー・ロール処理を可能にすることにより低廉な製造が可能になるからである。可撓性基板の有用な例は、ポリエチレンテレフタレートである。しかしながら、このようなプラスチックは、装置の処理を200℃未満に制限する。]
[0006] 可撓性基板の潜在的な利点にもかかわらず、コンベンショナルな製造中に伝統的なフォトリソグラフィを用いると、プラスチック支持体と関連する多くの問題が生じ、最大1メートル又はそれ以上の典型的な基板全幅にわたってトランジスタ構成部分のアラインメントを実施することを困難にする。伝統的なフォトリソグラフィの方法及び設備は、基板の最大処理温度、耐溶剤性、寸法安定性、水及び溶剤膨潤によって深刻な影響を及ぼされることがある。このようなプラスチック支持体における全ての重要なパラメータは、典型的にはガラスよりも劣っている。]
[0007] 真空処理及びサブトラクティブ・パターン化方法に関連する出費を伴わない、より低いコストの堆積法を利用することに関心が寄せられている。典型的な真空処理の場合、必要な環境を用意するために、大型金属チャンバ及び高度化された真空ポンプシステムが必要となる。典型的なサブトラクティブ・パターン化システムの場合、真空チャンバ内に堆積された材料のほとんどが、例えばエッチング工程において除去される。これらの堆積法及びフォトリソグラフィ法は投資コストが高く、そして連続ウェブに基づくシステムの簡単の使用を不可能にする。]
[0008] 過去10年間、薄膜トランジスタの半導体チャネルにおいて使用するための非晶質シリコンの代わりになり得るものとして、種々の材料が注目を集めている。よりシンプルに処理できる半導体材料、特に、比較的シンプルな処理によって大きな面積に適用することができるものが望ましい。より低い温度で堆積できる半導体材料は、プラスチックを含む広範囲の基板材料を、可撓性電子デバイスのために利用可能にする。容易に処理可能且つパターン化可能である誘電材料も、低コストで可撓性の電子デバイスの成功への鍵である。]
[0009] 現在のシリコンに基づく技術の代わりになるものとして実際的な無機半導体を発見することも、考慮すべき研究努力の主題である。例えば、金属、例えばアルミニウムを含む追加のドーピング元素を有して又は有さずに堆積された酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ガリウムインジウム亜鉛、酸化錫、又は酸化カドミウムを構成する金属酸化物半導体が知られている。透明であるこのような半導体材料は、下で論じるような或る特定の用途に対して更なる利点を有することができる。加えて、金属酸化物誘電体、例えばアルミナ(Al2O3)及びTiO2が、実際の電子装置用途、並びに光学用途、例えば干渉フィルタにおいて有用である。]
[0010] 上記機能層を有するように数多くのデバイス構造を形成することができる。2つの導体の間に誘電体を配置することにより、キャパシタが形成される。2つの導電性電極間に相補的キャリア・タイプの2つの半導体を配置することから、ダイオードが形成される。相補的キャリア・タイプの半導体の間に、固有の半導体領域が配置されていてもよく、これはその領域が少数の自由電荷キャリアを有することを示す。2つの導体間に単一の半導体を配置することにより、ダイオードを構成することもできる。この場合、導体/半導体界面のうちの1つは、電流フローを1つの方向において強く妨げるショッ場合障壁を形成する。導体(ゲート)上に絶縁層を配置し、続いて半導体層を配置することにより、トランジスタが形成される。2つ又は3つ以上の追加の導体電極(ソース及びドレイン)が、上側の半導体層と接触した状態で互いに離隔して配置されると、トランジスタを形成することができる。重要な界面が形成される限り、上記デバイスのうちのいずれかを種々の形態を成して形成することができる。]
[0011] 選択領域堆積又はSADとして知られる技術の関心が高まっている。その名がほのめかすように、選択領域堆積は、望まれる又は選択される領域内にのみ材料が堆積されるように、基板の部分を処理することに関与する。選択領域ALD(原子層堆積Atomic Layer Deposition)は、選択された領域におけるALD反応を防止するために、指定された表面領域がマスク又は「保護」されることを必要とし、こうして所望のマスキングされていない領域上でだけALD膜が核形成して成長するのを保証すると、Sinha他(J. Vac. Sci. Technol. B 24 6 2523-2532 (2006))は述べている。膜が活性化領域上だけに堆積されるように、選択された表面領域が「活性化」又は表面改質されるようなSAD法を有することも可能である。膜パターン化のためのエッチプロセスの排除、所要クリーニング工程数の低減、及びエッチングするのが困難な材料のパターン化といった、選択領域堆積技術の多くの潜在的な利点がある。半導体のパターン化と堆積との組み合わせに対する1つのアプローチは、Conley他による“METHODTO PERFORM SELECTIVEATOMICLAYER DEPOSITION OF ZINCOXIDE”と題される米国特許第7,160,819号明細書に示されている。Conley他は、シリコン・ウエハー上に酸化亜鉛をパターン化する際に使用するための材料について論じている。他の基板の使用、又は他の金属酸化物に対する結果に関する情報は提供されていない。]
[0012] 選択領域堆積のための誘導阻害化合物として、数多くの材料が研究者によって使用されている。上で参照したSinha他は、マスキング層においてポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)を使用している。Conley Jr.他は、堆積阻害材料として他のプロセス汚染物質とともに、アセトン及び脱イオン水を使用した。以前に使用されたこれらの誘導阻害剤の問題は、これらが、選択された薄膜材料を導くために効果的であるに過ぎないことである。加えて、デバイスを構築する際に有用であるように、誘導阻害化合物はパターン化されることが必要である。誘導阻害剤をパターン化するアディティブ法、例えばリソグラフィ又はインクジェットは、これらの解像度において制限される。また、選択領域堆積だけでは解決することができない、最終的なデバイス内の異なる層のアライニングの難しさがそのまま残される。従って、様々な薄膜材料と協働することができ、容易にパターン化され、そして単純なやり方で高精度のパターン化を施すことに適した誘導阻害剤化合物が必要である。]
課題を解決するための手段

[0013] 本発明は、気相堆積法とともに使用するためのフォトパターン化可能な誘導阻害材料に関する。パターン化薄膜を形成するこのような方法は:
(a)基板を用意する工程、
(b)該基板に、オルガノシロキサンを含むフォトパターン化可能な堆積阻害材料を含む組成物を適用する工程、
(c)該フォトパターン化可能な堆積阻害材料を画像形成化学線に暴露することにより、被覆されたままの第1状態とは異なる露光された第2状態の堆積阻害材料から構成されるパターンを形成する工程、
(d)該露光されたフォトパターン化可能な堆積阻害材料を処理することにより、該堆積阻害材料をパターン化して、該堆積阻害材料を事実上有さない選択された領域を提供する工程、そして
(e)気相堆積法によって該基板上に機能材料層を堆積する工程、
を含み、
該機能材料は、該堆積阻害材料を有さない該選択された基板領域内だけに実質的に堆積される。なお、フォトパターン化可能な堆積阻害材料とともに、いかなる気相堆積法を用いることもできる。]
発明の効果

[0014] 本発明の利点は、金属酸化物及びその他の材料を選択的に堆積できることである。]
[0015] 本発明の更なる利点は、大面積基板上への堆積を含む、ウェブ又は他の可動基板上の堆積に適応できることである。]
[0016] 本発明の更なる利点は、好ましい態様において、大気圧条件下での作業を可能にすることである。]
[0017] 本発明の更なる利点は、大気圧における低温プロセスにおいて使用することができ、このプロセスを周囲大気に対して開いた、密閉されていない環境内で実施できることである。]
[0018] 本発明のこれらの及びその他の目的、特徴、及び利点は、本発明の一例としての態様を示し記述した図面と併せて、下記詳細な説明を読めば、当業者には明らかになる。]
[0019] 本明細書は、本発明の主題を具体的に指摘し明確に主張する特許請求の範囲で締めくくられるが、添付の図面と併せて下記説明から本発明をより良く理解することができる。]
図面の簡単な説明

[0020] 図1Aは、本発明の1つの態様の方法における異なる時点の基板上の層を示す図である。
図1Bは、本発明の1つの態様の方法における異なる時点の基板上の層を示す図である。
図1Cは、本発明の1つの態様の方法における異なる時点の基板上の層を示す図である。
図1Dは、本発明の1つの態様の方法における異なる時点の基板上の層を示す図である。
図1Eは、本発明の1つの態様の方法における異なる時点の基板上の層を示す図である。
図2は、本発明の方法の工程の1つの態様を示すフローチャートである。
図3は、本発明の方法の1つの態様において使用される堆積デバイスの一例を示す側方断面図であり、実施例の薄膜堆積法を施される基板に提供されるガス材料の配列を示す。
図4は、図3の堆積デバイスにガスを供給するためのガス供給装置を示す側面図であり、実施例の方法を施される基板に提供されるガス材料の配列を示す。] 図1A 図1B 図1C 図1D 図1E 図2 図3 図4
[0021] 本発明は、選択領域堆積(SAD)を用いて、パターン化薄膜を形成することに関する。薄膜を堆積するための種々の気相堆積法は、例えば化学蒸着(CVD)又は原子層堆積(ALD)を用いることができる。上記のような選択領域堆積は、材料が、所望の領域内だけに堆積されるように、基板部分を処理することを伴う。本発明は、その表面上の薄膜の堆積を阻害するフォトパターン化可能な堆積阻害材料を使用する。このように、堆積阻害材料が存在する基板部分には、薄膜成長が僅かしか、乃至は全く生じず、阻害材料が概ね無い基板領域内に、標準的な薄膜が成長することになる。]
[0022] 「堆積阻害材料」という語句は本明細書中では、基板に適用される材料、並びに、任意選択の、続いて生じる架橋、又は気相堆積によって基板上に無機薄膜を堆積する前に発生し得る材料を改質する他の反応から生じる材料を意味する。]
[0023] 本発明は、フォトパターン化可能な堆積阻害材料として、オルガノシロキサン及びオルガノシロキサンを含有する配合物を使用することに関する。オルガノシロキサンは、交互のSi原子とO原子とから形成された骨格又は部分を化学構造内部に実質的に含む化合物を含むように、一般に定義され、この骨格又は部分において、−O−Si−O−反復単位のいずれかの側でSi原子に少なくとも1つ、好ましくは2つの有機基が結合されている。有機基は、種々の置換基、例えばフッ素を含むハロゲンを有することができる。最も好ましくは、有機基は独立して、炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数1〜3の、置換型又は無置換型のアルキル、フェニル、又はシクロアルキル基、好ましくは置換型又は無置換型のメチルである。]
[0024] オルガノシロキサンポリマーは、ポリマー、プレポリマー、又はマクロモノマーを含むように定義されている。特に好ましいのは、基板上への適用後、そしていかなる架橋又は分子間反応後にも、不溶性である堆積阻害材料である。このようなオルガノシロキサンポリマーは、ランダム又はブロック及び/又は架橋ポリマーを含む。基板の表面上への適用後に、オルガノシロキサンポリマーを不溶化するために架橋を用いることができる。架橋は、例えば、化学線照射によって開始されパターン化される架橋を使用し、続いて、例えば溶剤によって非架橋ポリマーを除去することにより、パターン化工程に関与するためにパターン化中に発生することもできる。]
[0025] 必要に応じて、オルガノシロキサンポリマー上に、官能基、例えば末端基(エンドキャップとも呼ばれる)が存在していてよい。架橋基、及び/又は官能基が存在していてもよく、例えばシロキサン主鎖から外れた側鎖上に配置されていてよい。]
[0026] オルガノシロキサンポリマーの例は、例えば、必要に応じて官能基を有する、ポリ(アルキルシロキサン)、ポリ(アリールシロキサン)、ポリ(アルキルアリールシロキサン)、及びポリ(アルキル(アリール)シロキサン)を含む。このような官能化ポリ(シロキサン)は、エポキシ官能化、カルボキシ官能化、ポリエーテル官能化、フェノール官能化、アミノ官能化、アルコキシ官能化、メタクリル官能化、カルビノール官能化、ヒドロキシ官能化、ビニル官能化、アクリル官能化、シラン官能化、トリフルオロ官能化、又はメルカプト官能化されたポリ(オルガノシロキサン)を含む。ブロックのうちの少なくとも1つが実質的なシロキサン反復単位を含有する場合には、ブロックコポリマーを使用することもできる。このようなポリマーは、数多くの特許明細書及び刊行物に記載されている通りに調製することができ、或いは、例えばGeneral Electric、Dow Corning、及びPetrarchから商業的に入手可能である。]
[0027] ランダム又はブロックコポリマーを含む好ましいポリ(オルガノシロキサン)ポリマーは、独立して水素、炭素原子数1〜18のアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、及びブチルなど;炭素原子数6〜18、好ましくは炭素原子数6〜8のアリール、例えばフェニル、ベンジル、及びナフチルなど;炭素原子数1〜18のメルカプトアルキル基、例えばメルカプトプロピル;炭素原子数1〜18のアミノアルキル基、例えばアミノプロピル又はアミノイソプロピル;炭素原子数1〜18のトリフルオロアルキル、例えばトリフルオロメチル;又は炭素原子数6〜18のトリフルオロアリール、例えばトリフルオロメチルフェニルである有機基(ケイ素原子に結合されている)を含む。ポリ(オルガノシロキサン)ポリマーの好ましい重量平均分子量範囲は、架橋されない場合、200〜140,000、より好ましくは4,000〜120,000である。好ましくは、アルキル基の炭素原子数は1〜6、より好ましい炭素原子数は1〜3である。]
[0028] いくつかの好ましいポリ(オルガノシロキサン)ポリマー(又はこれらの大部分)の例は、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジフェニルシロキサン)、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、ポリ(ジメチルジフェニルシロキサン)、メルカプトプロピル官能化ポリ(ジメチルシロキサン)、アミノプロピル官能化ポリ(ジメチルシロキサン)、カルボキシプロピル官能化ポリ(ジメチルシロキサン)、シラン官能化ポリ(ジメチルシロキサン)、及びトリフルオロプロピル官能化ポリ(ジメチルシロキサン)である。より好ましいポリ(オルガノシロキサン)ポリマーは、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)及びポリ(ジメチルジフェニルシロキサン)であり、すなわち、ここでは有機基はメチル又はフェニルであることが相応しい。ポリ(オルガノシロキサン)ポリマー又は化合物の混合物を使用することができる。下に示すように、オルガノシロキサンは、作業に適した他のポリマーと混合することができる。]
[0029] 選択領域堆積(SAD)において使用するためのオルガノシロキサンは、他の堆積阻害材料とは異なり、阻害材料表面上の薄膜の成長をゼロ近くにすることができる。この特性は、堆積阻害材料の有用性を大幅に向上させる。それというのも、SAD法において従来堆積可能であるものよりも著しく厚い薄膜が選択的に堆積されるのを可能にするからである。]
[0030] 本発明の1つの態様において、気相堆積法、例えばALDを介してパターン化薄膜を堆積し、同時に選択領域堆積(SAD)の材料及び方法を用いてこれをパターン化する。SAD法は、非選択領域内の薄膜のALD成長を阻害するために、堆積阻害化合物を使用する。]
[0031] ALDは、半導体デバイス及び支持用電子構成部分、例えば抵抗器及びキャパシタ、絶縁体、バスライン及びその他の導電性構造を含む数多くのタイプの薄膜電子デバイスを形成するための製作工程として用いることができる。ALDは、電子デバイスの構成部分内の金属酸化物薄層を形成するのに特に適している。ALDで堆積することができる一般クラスの機能性材料は、導体、誘電体又は絶縁体、及び半導体を含む。]
[0032] 有利には、ALD工程は自己終結型であり、自己終結曝露時間まで、又は自己終結曝露時間を超えて実施すると、1つの原子層を正確に堆積することができる。原子層は典型的には、0.1〜0.5分子単層であり、典型的な寸法は数オングストローム以下のオーダーにある。ALDの場合、原子層の堆積は、反応性分子前駆体と基板との間の化学反応の結果である。それぞれ別個のALD反応堆積工程において、正味の反応が所望原子層を堆積し、そして分子前駆体内に元々含まれる「余分」の原子を実質的に排除する。その最も純粋な形態では、ALDは、その他の反応前駆体の完全な不存在における、前駆体のそれぞれの吸着及び反応に関与する。実際には、いかなるシステムにおいても、少量の化学蒸着反応をもたらす種々異なる前駆体の若干の直接反応を回避することは難しい。ALDを実施すると主張するいかなる方法も、その目標は、少量のCVD反応を許容できることを認識しつつ、ALDシステムに見合う装置の性能及び特質を得ることである。]
[0033] ALD用途の場合、典型的には2種の分子前駆体が、別個の工程においてALD反応器内に導入される。例えば、金属前駆体分子MLxは、原子又は分子リガンドLに結合された金属元素Mを含む。例えばMとしては、Al,W,Ta,Si,Znなどが挙げられる。基板表面が分子前駆体と直接反応するように調製されている場合、金属前駆体は基板と反応する。例えば、基板表面は典型的には、金属前駆体と反応する水素含有リガンドAHなどを含むように調製される。硫黄(S)、酸素(O)、及び窒素(N)がいくつかの典型的なA種である。ガス状金属前駆体分子は、基板表面上のリガンドの全てと効果的に反応し、その結果、金属の単一原子層を堆積する:]
[0034] 基板−AH+MLx→基板−AMLx-1+HL (1)]
[0035] 上記式中HLは反応副産物である。反応中、初期表面リガンドAHは消費され、そして表面はAMLx-1リガンドで覆われるようになる。これらのAMLx-1リガンドは金属前駆体MLxとさらに反応することはできない。従って、表面上の初期AHリガンドの全てがAMLx-1種で置換されると、反応は自己終結する。この反応工程には、典型的には不活性ガスパージ工程が続き、この不活性ガスパージ工程は、他の前駆体を別個に導入する前にチャンバから余分の金属前駆体及びHL副産物種を排除する。]
[0036] 第2の分子前駆体は次いで、金属前駆体に対する基板の表面反応性を回復させるために使用される。このことは、例えばLリガンドを除去し、そしてAHリガンドを再堆積することにより行われる。この場合、第2前駆体は典型的には、所望(通常は非金属)元素A(すなわちO,N,S)、及び水素(すなわちH2O,NH3,H2S)を含む。次の反応は下記の通りである:]
[0037] 基板−A−ML+AHY→基板−A−M−AH+HL (2)]
[0038] これにより、表面は、AHで覆われた状態に戻るように変換される(この場合、便宜上、化学反応は平衡されない)。所望の追加の元素Aは膜内に内蔵され、また望ましくないリガンドLは揮発性副産物として排除される。ここでもやはり、反応は反応性部位(この場合L末端部位)を消費し、そして基板上の反応性部位が完全に消耗したら自己終結する。第2分子前駆体は次いで、不活性パージガスを第2パージ工程で流すことにより堆積チャンバから除去される。]
[0039] ここで要約すると、ALD法は、基板に対する化学物質のフラックスを順番に交互にすることを必要とする。上述のような代表的なALD法は、4つの異なる作業工程を有するサイクルである:
1. MLx反応;
2. MLxパージ;
3.AHy反応;及び
4. AHyパージ、次いで工程1へ戻る。]
[0040] 表面反応と、パージ動作を介在させて、基板表面をその初期反応状態に回復させる前駆体除去とを交互に行うことのこのような反復シーケンスは、典型的なALD堆積サイクルである。ALD作業の重要な特徴は、基板をその初期の表面化学反応状態に回復させることである。この反復工程セットを用いて、化学キネティクス、1サイクル当たりの堆積、組成、及び厚さがすべて同一である等しく計量された層として膜を基板上に層形成することができる。]
[0041] 自己飽和型表面反応は、技術的な許容差及び流動プロセスの限界又は表面トポグラフィ(すなわち三次元高アスペクト比構造内への堆積)に関連する限界に起因する、さもなければ表面均一性を損なうおそれのある搬送不均一性に対してALDを不感受性にする。原則として、反応プロセスにおける不均一な化学物質フラックスは一般に、表面領域の異なる部分に対する完成時間を異なるものにする。しかしALDを用いた場合、反応のそれぞれが基板表面全体上で完成することが許される。従って、完成キネティクスの相違は、均一性に対して何の不利益も与えない。その理由は、最初に反応を完成するようになっている領域は反応を自己終結し、他の領域は、完全処理された表面が所望の反応を受けるまで持続することができるからである。]
[0042] 典型的にはALD法は、単一のALDサイクル(1サイクルは前に挙げた1〜4の番号の工程を有している)において0.1〜0.2nmの膜を堆積する。多くの又はほとんどの半導体用途において、3nm〜300nmの均一な膜厚を、そして他の用途ではさらに厚い膜を提供するために、有用なそして経済的に見合うサイクル時間が達成されるべきである。産業上のスループット標準によれば、基板は好ましくは2分〜3分で処理され、これは、ALDサイクル時間が0.6秒〜6秒の範囲になければならないことを意味する。]
[0043] ALD法は、多くの基板のコスト効率が高い被覆を可能にするために、多くのサイクルにわたって効率的に且つ信頼性高くこのシーケンシングを実行できなければならない。任意の所与の反応温度で、ALD反応が自己終結に達するために必要とする時間を最小化しようと、1つのアプローチでは、いわゆる「パルス化」システムを使用して、ALD反応器内へ流入する化学物質フラックスを最大化するようになっている。パルス化ALD法の場合、基板はチャンバ内に位置し、そして、第1ガスがチャンバに入るのを許すことにより、上記ガス配列に暴露され、続いてそのガスを除去するためのポンピング・サイクルを施され、続いて第2ガスがチャンバに導入され、続いて第2ガスを除去するためのポンピング・サイクルを施される。この順番は、任意の頻度で、ガスのタイプ及び/又は濃度を任意に変化させて繰り返すことができる。正味の影響は、チャンバ全体が時間に伴うガス組成の変化を受けることであり、ひいてはこのタイプのALDは時間依存性ALDと呼ぶことができる。既存のALD法の大部分は時間依存性ALDである。]
[0044] 時間依存性ALDの内在的な制限を克服するために、基板を、各ガス中を通るように連続して動かしている間に、各反応ガスを連続的に提供することができる。これらのシステムでは、比較的一定のガス組成が存在するが、しかしこれは処理システムの特定の領域又は空間に局在化されている。これらのシステムは、空間依存性ALDシステムと呼ぶことができる。]
[0045] 例えば、“GAS DISTRIBUTION SYSTEMFOR CYCLICAL LAYERDEPOSITION”と題される米国特許第6,821,563号明細書(Yudovsky)には、前駆体及びパージガスのための別個のガスポートと、各ガスポート間の真空ポンプポートとを交互に有する、真空下の空間依存性ALD処理システムが記載されている。各ガスポートは、そのガス流を鉛直方向で見て下向きに基板に向かって導く。壁又は仕切りがガス流を分離し、各ガス流の両側には排気のための真空ポンプが設けられている。連続ガス流空間依存性ALDを用いた別のアプローチが、“METHODFOR PERFORMING GROWTH OF COMPOUND THIN FILMS”(Suntola他)と題された米国特許第4,413,022号明細書に示されている。ガス流アレイには、ソースガス開口、キャリアガス開口、及び真空排気開口が交互に設けられている。アレイ上の基板の往復運動が、パルス化された動作を必要とすることなしに、ALD堆積を生じさせる。]
[0046] 米国特許出願公開第2005/0084610号明細書(Selitser)には、大気圧原子層化学気相堆積法が開示されている。Selitserが述べるところによれば、作業圧力を大気圧に変えることにより反応速度の極端な増大が得られ、このことは、反応物質の濃度の何桁もの増大を伴い、その結果表面反応速度が向上する。]
[0047] 空間依存性ALD法が、同一譲受人の米国特許出願公開第2007/0238311号明細書;同第2007/0228470号明細書;同第2008/0166884号明細書;及び米国特許出願第11/620,744号明細書に、より詳細に記載された他の装置又はシステムで達成することができる。これらのシステムは、連続的に流れる互いに反応性のガスの望ましくない混和という空間的ALDシステムの困難な局面の1つを克服しようとしている。具体的には、米国特許出願公開第2007/0238311号明細書は、混和を防止するために新規の横流パターンを使用しているのに対して、米国特許出願第11/620,744号明細書及び米国特許出願公開第2008/0166884号明細書は、改善されたガス分離を達成するためにプロセスの反応ガスの圧力によって部分的に浮揚された被覆用ヘッドを使用している。]
[0048] ALDが機能材料層を堆積する好ましい方法ではあるものの、当業者には明らかなように、他のコンベンショナルな気相堆積法を用いることもできる。]
[0049] この方法は、図1A〜1Eを参照すればより良く理解することができる。図1Aは、堆積阻害材料210の適用前の基板200を示す。基板200は裸の基板として示されてはいるが、当業者には明らかなように、所望の通り、電気的、光学的、又は機械的ないかなる目的にも役立つように、基板200は、パターン化された又はパターン化されていない材料層を含有していてもよい。図1Bは、堆積阻害材料210の均一な堆積後の基板200を示している。図1Cは、堆積阻害材料210をパターン化することにより堆積マスク225を形成する工程後の基板200を示す。パターン化は、ポジ型又はネガ型フォトレジスト、レーザーアブレーション、又は他のサブトラクティブ法を用いたフォトリソグラフィを含む、当業者に知られた任意の方法によって行うことができる。図示のように、堆積マスク225は、堆積阻害材料の領域210と、堆積阻害材料が欠けている領域215とを含有する。図1Dは、所望の薄膜材料の原子層堆積工程後の基板200を示している。図示のように、基板200上の、堆積阻害材料210がない場所だけに、薄膜材料220が堆積されている。薄膜材料220は、堆積阻害材料210上に、感知し得るほどの薄膜を形成することはない。図1Eは、堆積阻害材料210除去後の、パターン化薄膜材料220を示している。なお当業者には明らかなように、いくつかの事例では、堆積阻害材料210を除去することは必要でない。] 図1A 図1B 図1C 図1D 図1E
[0050] 図2は、選択領域堆積(SAD)とALDとの組み合わせを用いて、パターン化薄膜を製造するための本発明の方法の1つの態様に対応する工程ダイアグラムである。工程100に示すように、システム内に基板を供給する。工程105において、フォトパターン化可能な堆積阻害材料を堆積する。フォトパターン化可能な堆積阻害材料は概ね、光を使用してパターン化することができる、材料堆積が阻害されるようにするいかなる材料であってもよい。1つの態様の場合、フォトパターン化可能な堆積阻害材料は、堆積されるべき材料に合わせて具体的に選択される。他の態様の場合、堆積阻害材料は、所与の阻害力を有しており、阻害力は、堆積阻害材料がそれ以下の厚さで有効であるような層の厚さとして定義される。別の態様では、フォトパターン化可能な堆積阻害材料は、選択された可視光波長に対してだけ感光するように選択される。工程105は、フォトパターン化可能な堆積阻害材料の均一層を堆積し、そして工程110は、パターン化された堆積阻害材料層を形成するために使用される。露光は、工程110は、フォトパターン化可能な堆積阻害材料を光パターンに暴露する工程を含む。露光は、伝統的なマスク又はカラーマスクを通して大型の光源を使用して行うことができ、或いは、フォトパターン化可能な堆積阻害材料は、レーザーマーキング・システムを使用して露光することもできる。マスク露光の際には、マスクは基板と接触していてよく、或いは、レンズを通して基板にフォーカシングされてよい。マスク露光は基板全体に対して一回で行われてよく、或いは、マスクは、いくつかの露光を達成するために基板上に段階的に形成されてもよい。工程110はまた、基板が、堆積阻害材料がない領域と、堆積阻害材料が残っている領域とを有するように、フォトパターン化可能な堆積阻害材料を現像する工程を含む。] 図2
[0051] 図2を引き続き参照すると、工程120は、気相堆積法によって、所望の薄膜材料を堆積する。好ましい態様の場合、気相堆積法は、原子層堆積(ALD)法である。一般に、この堆積は、好ましくは空間依存性ALDシステムを有する任意の好適なALD設備を使用することができる。薄膜材料は、堆積阻害材料がない基板領域内にだけ堆積される。薄膜材料の使用に応じて、堆積阻害材料は、後続の処理のために基板上に残っていてよく、或いは、図2の工程130に示すように除去されてもよい。] 図2
[0052] 本発明は、オルガノシロキサンを含有するフォトパターン化可能な堆積阻害材料を利用する。長波長UV又は可視光によってパターン化可能にするために、フォトパターン化可能な堆積阻害材料はまた増感剤を含有する。]
[0053] 本発明の堆積阻害材料は好ましくは、堆積阻害材料がそれ以下の厚さで有効であるような機能層の厚さとして定義される、有効阻害力を有している。好ましくは、堆積阻害材料は使用中、少なくとも50Å、より好ましくは少なくとも100Å、最も好ましくは少なくとも300Åの阻害力を示す。]
[0054] オルガノシロキサンポリマーは、適用された後に架橋又は光重合することができる。基板の表面上への適用後に、高分子堆積阻害材料を不溶化するために架橋を用いることができる。架橋は、例えば、フォトパターン化可能な堆積阻害材料を露光することにより開始されパターン化される架橋を使用し、続いて、例えば溶剤によって非架橋ポリマーを除去することにより、パターン化工程に関与するためにパターン化中に発生することもできる。]
[0055] 堆積阻害材料は、オルガノシロキサンに加えて、フォトパターン化可能な材料、例えば光重合性又は光可溶化可能な(又は「フォトソルライザブル(photosolulizable」な)材料を、光重合系と呼ばれる増感系との組み合わせにおいて含有しており、この光重合系は、堆積阻害材料を得るためにオルガノシロキサンとブレンドすることができる。]
[0056] 可視又は非可視線によって活性化される、この方法において使用することができる種々の光重合系が知られている。UV硬化性材料及び可視光フォトパターン化可能な材料に関する有用な議論は、“Photoreactive Polymers: The Science and Technology of Resists”、A. Reiser, Wiley-Interscience, John Wiley & Sons, 1989, pp. 102-129に見いだすことができる。本明細書中に引用するFarid他による米国特許第4,859,572号明細書には、有機成分を硬化させ、そして画像パターンを生成するために可視光を使用することに依存する写真画像形成系が記載されている。この参考文献には、オルガノシロキサンと組み合わせてこの方法に使用することができる硬化性層内に使用するための種々の好適な可視光感光性光開始剤、モノマー、及び被膜調製ガイドラインも記載されている。]
[0057] 重合性化合物と一緒に光重合開始剤を使用することによって、可視光に対する感光性を提供するための、光重合系のための増感システムを達成することができる。本発明の好ましい態様において、フォトパターン化可能な堆積阻害材料のためのフォトパターン化可能な材料は、少なくとも1つの、好ましくは2つ又は3つ以上のエチレン系不飽和型結合を有する化合物の中から選択された重合性化合物を含有する。このような化合物は当業者によく知られており、そして本発明において特定の制限なしに使用することができる。このような化合物は例えばモノマー、プレポリマー、すなわちダイマー、トリマー、及びオリゴマー、又はこれらの混合物及びコポリマーの化学形態を有する。モノマー及びこれらのコポリマーの例として、不飽和型カルボン酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸;クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)、及びこれらのエステル及びアミドを挙げることができ、そして好ましくは不飽和型カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和型カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドが使用される。加えて、求核置換基、例えばヒドロキシル基、アミノ基及びメルカプト基を有する不飽和型カルボン酸エステル及びアミドと、単官能価又は多官能価イソシアネート及びエポキシとの付加反応生成物、及びこれらの化合物と、単官能価又は多官能価カルボン酸との脱水縮合反応生成物も好ましく使用される。求電子置換基、例えばイソシアナト基及びエポキシ基を有する不飽和型カルボン酸エステル及びアミドと、単官能価又は多官能価アルコール、アミン及びチオールとの付加反応生成物、並びに、放出可能な置換基、例えばハロゲン基及びトシルオキシ基を有する不飽和型カルボン酸エステル及びアミドと、単官能価又は多官能価アルコール、アミン及びチオールとの置換反応生成物も好ましく使用される。別の例としては、上記不飽和型カルボン酸の代わりに、不飽和型ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテルなどと置換された化合物を使用することも可能である。]
[0058] 脂肪族多価アルコール化合物と不飽和型カルボン酸とのエステル・モノマーの具体例は、アクリレートとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマーなどを含む。メタクリレートの例としては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、及びビス[p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)フェニル]ジメチルメタン、ビス[p−(メタクリルオキシエトキシ)−フェニル]ジメチルメタンが挙げられる。イタコネートの例としては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリトリトールジイタコネート、及びスルボトールテトライタコネートが挙げられる。クロトネートの例としては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリトリトールジクロトネート、及びソルビトールテトラジクロトネートが挙げられる。イソクロトネートの例としては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリトリトールジイソクロトネート、及びソルビトールテトライソクロトネートが挙げられる。マレエートの例としては、エチレングリコールジマレエート、トリエチレングリコールジマレエート、ペンタエリトリトールジマレエート、及びソルビトールテトラマレエートが挙げられる。さらに、上記エステルモノマーの混合物を使用することもできる。さらに、脂肪族多価アミン化合物と不飽和型カルボン酸とのアミド・モノマーの具体例は、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリス−アクリルアミド、キシリレンビス−アクリルアミド、及びキシリレンビス−メタクリルアミドを含む。]
[0059] さらに、イソシアネートとヒドロキシル基との付加反応によって得られるウレタン系付加重合性化合物を、フォトパターン化可能な堆積阻害材料のためのフォトパターン化可能な材料中に使用することもできる。具体例は、2つ又は3つ以上の重合可能なビニル基を1分子中に有するビニルウレタン化合物である。この化合物は、2つ又は3つ以上のイソシアネート基を1分子中に有するポリイソシアネート化合物に、下記式(V):
CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH
(R及びR’はそれぞれH又はCH3である)
によって表されるヒドロキシル基を有するビニルモノマーを付加することにより得られる。]
[0060] 他の例は、多官能価アクリレート及びメタクリレート、例えばポリエステルアクリレート、及び、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させることにより得られるエポキシアクリレートを含む。さらに、Sartomer Company, Inc.(1999)によるSartomer Product Catalog中に挙げられた光硬化可能なモノマー及びオリゴマーを使用することもできる。]
[0061] フォトパターン化可能な堆積阻害材料の最終的なデザインの特徴に応じて、所望の構造及び量を有する好適な付加重合性化合物又は付加重合性化合物の組み合わせを用いることができる。例えば、下記の点から条件が選択される。感光スピードに関しては、1分子当たりに多くの不飽和型基を含有する構造が好ましく、そして多くの場合二官能価又は三官能価以上の基が好ましい。画像部分、すなわち硬化された被膜の強度を高めるためには、三官能価基又は四官能価以上の基が好ましい。感光度及び強度の両方を制御するためには、種々異なる官能価及び種々異なる重合性基(例えばアクリレート、メタクリレート、スチレン化合物、ビニルエーテル化合物)を組み合わせて使用することが特に効果的であることがある。大きな分子量を有する化合物又は高疎水性を有する化合物が、感光スピード及び被膜強度において優れてはいるものの、現像スピード及び現像溶液中の沈澱の点からは好ましくない場合がある。付加重合性化合物の選択及び使用は、光重合組成物中の他の成分(例えばバインダー・ポリマー、開始剤、機能材料など)との適合性にとって重要なファクターである。例えば、低純度化合物、或いは2種又は3種以上の化合物を組み合わせて使用することにより、適合性を改善できることがある。さらに、支持体の付着特性を改善する目的で、特定の構造を有する化合物を選択することも可能である。光重合組成物中の付加重合性化合物の配合比に関しては、量が多ければ多いほど、感光性は高くなる。しかし量があまりにも多いと、不都合な相分離が生じることがある。相分離は、光重合組成物の粘着性(例えば感光性材料成分の転移及び付着から生じる製造の失敗)及び現像溶液からの沈澱に起因する製造方法における問題である。付加重合性化合物は単独で、又は2種又は3種以上の組み合わせで使用することができる。加えて、酸素、解像度、カブリ特性、屈折率の変化、及び表面付着性による重合妨害度を考慮に入れて、付加重合可能な化合物の好適な構造、配合比及び添加量を適宜選択することができる。]
[0062] フォトパターン化可能な層の被膜形成成分の一部を形成することができる有機高分子バインダーは、(1)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、及びヘキサヒドロテレフタル酸に基づくものを含むポリエステル;(2)ナイロン又はポリアミド;(3)セルロースエーテル及びエステル;(4)ポリアルデヒド;(5)平均重量平均分子量4000〜4,000,000の高分子量エチレンオキシド・ポリマー、例えばポリ(エチレングリコール);(6)ポリウレタン;(7)ポリカーボネート;(8)合成ゴム、例えばブタジエンのホモポリマー及びコポリマー;及び(9)エチレン系不飽和を含有するモノマーから形成されたホモポリマー及びコポリマー、例えば種々のエチレン系不飽和型モノマーのいずれかの重合形態、例えばポリアルキレン(例えばポリエチレン及びポリプロピレン);ポリ(ビニルアルコール);ポリスチレン;ポリ(アクリル酸及びメタクリル酸及びエステル)、例えばポリ(メチルメタクリレート)及びポリ(エチルアクリレート)、並びにコポリマー変異形を含む。重合性化合物及び高分子バインダーは、被膜形成成分の3〜97重量パーセントの重合性化合物、及び被膜形成成分の97〜3重量パーセントの高分子バインダーを含めて、幅広く変化する比率で一緒に使用することができる。別個の高分子バインダーは好ましくはあるものの、フォトパターン化可能な被膜の必須部分ではなく、重合性化合物自体がポリマーである場合には、最も一般的には省かれる。]
[0063] 上記フォトパターン化可能な堆積阻害材料内で使用するために、種々の光開始剤を選択することができる。好ましい光開始剤は有機色素から成る。]
[0064] 使用されるべき有機色素の量は好ましくは、光重合組成物の総重量を基準として0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。]
[0065] 光開始剤として使用するための有機色素は、最大吸収波長が300〜1000nmの範囲に含まれる従来より知られている化合物から好適に選択することができる。所望の吸収スペクトルを有する所望の色素を選択することによって、高い感光性を達成することができる。光源、例えば青、緑又は赤、又は赤外LED(発光ダイオード)、固体レーザー、OLED(有機発光ダイオード)又はレーザー、又は、像様露光において使用するための同様のものを好適に選択することも可能である。]
[0066] 開始剤有機色素の具体例は、3−ケトクマリン化合物、チオピリリウム塩、ナフトチアゾールメロシアミン化合物、メロシアニン化合物、及びチオバルビツール酸を含有するメロシアニン色素、ヘミオキサノール色素、及びインドレニン核を有するシアニン、ヘミシアニン及びメロシアニン色素を含む。有機色素の他の例は、Chemistry of Functional Dyes (1981,CMCPublishing Co., Ltd., 第393-416頁)、及びColoring Materials (60[4], 212-224, 1987)に記載された色素を含む。これらの有機色素の具体例は、カチオン性メチン色素、カチオン性カルボニウム色素、カチオン性キノイミン色素、カチオン性インドリン色素、及びカチオン性スチリル色素を含む。前述の色素の例は、ケト色素、例えばクマリン色素(ケトクマリン及びスルホノクマリンを含む)、メロスチリル色素、オキソノール色素及びヘミオキソノール色素;非ケト色素、例えば非ケトポリメチン色素、トリアリールメタン色素、キサンテン色素、アントラセン色素、ローダミン色素、アクリジン色素、アニリン色素、及びアゾ色素;非ケトポリメチン色素、例えばアゾメチン色素、シアニン色素、カルボシアニン色素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニン色素、ヘミシアニン色素、及びスチリル色素;キノンイミン色素、例えばアジン色素、オキサジン色素、チアジン色素、キノリン色素、及びチアゾール色素を含む。]
[0067] 好ましい光開始剤有機色素は、カチオン性色素及びアニオン性有機ホウ酸塩から形成されたカチオン性色素−ホウ酸アニオン錯体である。カチオン性色素は、最大吸収波長が300〜1000nmの範囲に含まれる光を吸収し、そしてアニオン性ホウ酸塩は4つのR基を有し、これらのうち3つのR基はそれぞれ、置換基を有することができるアリール基を表し、そして1つのR基はアルキル基又は置換型アルキル基である。このようなカチオン性色素−ホウ酸アニオン錯体は、米国特許第5,112,752号;同第5,100,755号;同第5,075,393号;同第4,865,942号;同第4,842,980号;同第4,800,149号;同第4,772,530号;及び同第4,772,541号の各明細書に開示されている。]
[0068] カチオン性色素−ホウ酸アニオン錯体が本発明の光重合組成物中の有機色素として使用される場合には、有機ホウ酸塩を使用する必要はない。しかし光重合感受性を高めるためには、カチオン性色素−ホウ酸錯体と組み合わせて有機ホウ酸塩を使用することが好ましい。有機色素は単独で又は組み合わせで使用することができる。]
[0069] 上記カチオン性色素−ホウ酸塩の具体例を以下に示す。ただし、いうまでもなく本発明はこれらの例に限定されるものではない。]
[0070] ]
[0071] ]
[0072] ]
[0073] ]
[0074] ]
[0075] ]
[0076] 米国特許第5,112,752号;同第5,100,755号;同第5,075,393号;同第4,865,942号;同第4,842,980号;同第4,800,149号;同第4,772,530号;及び同第4,772,541号の各明細書に開示されているような有機ホウ酸塩と組み合わせて光開始剤を使用することが好ましい場合がある。使用する場合、本発明の光重合組成物中に含有されるホウ酸塩化合物の量は、光重合組成物の総量を基準として0重量%〜20重量%であることが好ましい。本発明の感光性組成物にとって有用なホウ酸塩は、下記一般式(I)
[BR4]-Z+
によって表される。Zはカチオンを形成することができる基を表し、そして感光性ではなく、また[BR4]-は、アルキル基、置換型アルキル基、アリール基、置換型アリール基、アラルキル基、置換型アラルキル基、アルカリル基、置換型アルカリル基、アルケニル基、置換型アルケニル基、アルキニル基、置換型アルキニル基、脂環式基、置換型脂環式基、複素環式基、置換型複素環式基、及びこれらの誘導体から選択される4つのR基を有するホウ酸塩化合物である。複数のRは、互いに同じか又は異なるものであってよい。加えて、これらの基のうちの2つ又は3つ以上は直接に結合するか又は置換基を介して結合し、そしてホウ素含有複素環を形成することができる。Z+は、光を吸収せず、そしてアルカリ金属、第四アンモニウム、ピリジニウム、キノリニウム、ジアゾニウム、モルホリニウム、テトラゾリウム、アクリジニウム、ホスホニウム、スルホニウム、オキソスルホニウム、ヨードニウム、S、P、Cu、Ag、Hg、Pd、Fe、Co、Sn、Mo、Cr、Ni、As又はSeを表す。]
[0077] 上記ホウ酸塩の具体例を以下に示す。ただし、いうまでもなく本発明はこれらの例に限定されるものではない。]
[0078] ]
[0079] ]
[0080] ]
[0081] ]
[0082] ]
[0083] フォトパターン化可能な堆積阻害材料の重合速度に影響を与えるために、種々の添加剤を光開始剤系と一緒に使用することができる。例えば還元剤、例えば酸素スカベンジャー又は活性水素供与体の連鎖移動剤、又はその他の化合物を使用することにより、重合を加速することができる。酸素スカベンジャーはまた自動酸化剤としても知られており、フリーラジカル連鎖プロセスにおいて酸素を消費することができる。有用な自動酸化剤の例は、N,N−ジアルキルアニリンである。好ましいN,N−ジアルキルアニリンの例は、下記群:メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、3,4−テトラメチレン、フェニル、トリフルオロメチル、アセチル、エトキシカルボニル、カルボキシ、カルボキシレート、トリメチルシリルメチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメチルゲルマニル、トリエチルゲルマニル、トリメチルスタニル、トリエチルスタニル、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、フェノキシ、ヒドロキシ、アセチル−オキシ、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、チオ−(メルカプト−)、アセチルチオ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨード、によってオルト、メタ又はパラ位置のうちの1つ又は2つ以上の位置で置換されたジアルキルアニリンである。本発明において有用なN,N−ジアルキルアニリンの代表例は4−シアノ−N,N−ジメチルアニリン、4−アセチル−N,N−ジメチルアニリン、4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、エチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート、3−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、4−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、3−エトキシ−N,N−ジメチルアニリン、4−フルオロ−N,N−ジメチルアニリン、4−メチル−N,N−ジメチルアニリン、4−エトキシ−N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルチオアニシジン、4−アミノ−N,N−ジメチルアニリン、3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアニリン、4−アセトアミド−N,N−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピル−N,N−ジメチルアニリン(DIDMA)、2,6−ジエチル−N,N−ジメチルアニリン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン(PMA)及びp−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリンである。]
[0084] ジスルフィド共開始剤と組み合わせて光開始剤を使用することが好ましい場合がある。有用なジスルフィドの例は、Davis他による米国特許第5,230,982号明細書に記載されている。最も好ましいジスルフィドのうちの2種は、メルカプトベンゾチアゾ−2−イルジスルフィド及び6−エトキシメルカプトベンゾチアゾル−2−イルジスルフィドである。加えて、チオール、チオケトン、トリハロメチル化合物、ロフィン・ダイマー化合物、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、アジニウム塩、有機過酸化物、及びアジドが、重合促進剤として有用な化合物の例である。]
[0085] 光硬化性被膜内に内蔵することができる他の添加物は、高分子バインダー、充填剤、顔料、界面活性剤、及び付着改質剤などを含む。支持体及び機能層上の被覆を容易にするために、光硬化性被膜組成物は、溶液又はスラリーを形成するために溶剤中に分散され、次いで、その液体は被覆後、通常は加熱によって蒸発除去される。被膜形成成分及びフォトパターン化可能な被膜の添加物に対して不活性のものであるならば、この目的において、いかなる溶剤を使用することもできる。]
[0086] フォトパターン化な堆積阻害材料においてポジ型のフォトパターン化可能な材料を用いて本発明を実施することが好ましい場合がある。例えば、Newmanによる米国特許第4,708,925号明細書 (本明細書中に引用)には、ノボラク・フェノール樹脂、オニウム塩、及び色素増感剤を含有するポジ型のフォトパターン化可能な組成物が記載されている。この系において、アルカリ可溶性フェノール樹脂とオニウム塩との間に相互作用が生じ、この組成物が被膜中に流延されると結果として耐アルカリ溶剤性がもたらされる。オニウム塩の光分解が樹脂に溶解性を取り戻す。増感されたとしても不十分な程度にすぎないキニンジアジドとは異なり、オニウム塩は、UVから赤外線まで(280〜1100nm)の広範囲の電磁スペクトルに容易に増感することができる。]
[0087] オニウム塩を増感させることが知られている化合物の例は、次のクラス:置換型ジフェニルメタンを含むジフェニルメタン、キサンテン、アクリジン、メチン及びポリメチリン(オキソノール、シアニン、及びメロシアニンを含む)色素、チアゾール、チアジン、アジン、アミノケトン、プロピリン、着色芳香族多環式炭化水素、p置換型アミノスチリル化合物、アミノトリアジルメタン、ポリアリーレン、ポリアリールポリエン、2,5−ジフェニルイソベンゾフラン、2,5−ジアリールシクロペンタジエン、ジアリールフラン、ジアリールチオフラン、ジアリールピロール、ポリアリール−フェニレン、クマリン及びポリアリール−2−ピラゾリンにおける化合物である。系に増感剤を添加すると、系は、前記増感剤の吸収スペクトル内に含まれる任意の輻射線に対して感光性にされる。他のポジ型系も当業者に知られている。]
[0088] 本発明の好ましい態様の場合、オルガノシロキサンと、長波長UV又は可視光によって活性化された光重合性マトリックスとの混合物が、好ましいフォトパターン化可能な堆積阻害材料である。オルガノシロキサンと、ビスアジド(例えば2,6−ビス(アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン)でUV線に対して増感された環化ゴム(ポリcis−イソプレン)とのブレンドが、本発明とともに使用するための、特に好ましいフォトパターン化可能な組成物である。これらの配合物は必要に応じて、本発明に従って可視波長に対して増感されてよい。可視波長に対するポリcis−イソプレン・レジストの増感は、例えばFrejlich及びR. Knoesel (Applied Optics, 18 8 1135-1136 (1979)、9−フルオレノンのような三重項増感剤)によって記述されている。]
[0089] フォトパターン化可能な堆積阻害材料層には、任意の好都合な方法を用いて露光を施すことができる。層はフォトマスクを使用して露光するか、又はフォトマスク無しでレーザー露光することができる。露光ステップの重要な観点は、フォトパターン化可能な堆積阻害材料が可溶性から不溶性へ、又はその逆に遷移するのに十分に所望の領域が露光されるのに対して、他の領域が当初の被覆されたままの状態であり続けるように、適切な波長の化学線を含有する光パターンがフォトパターン化可能な堆積阻害材料層に提供されることである。]
[0090] フォトパターン化な堆積阻害材料層はこれが一旦露光されると、当業者に知られた任意の手段によって現像することができる。例えば、現像はフォトパターン化な堆積阻害材料層の可溶性部分を除去することに関与することができる。現像方法は典型的には、選択的な溶剤に対する曝露、加熱、又はこれらの組み合わせを含む。液状現像剤は、光硬化性層の未硬化領域を選択的に除去することができる任意の好都合な液体であることが可能である。露光されたフォトパターン化可能な層は、選択的な除去を達成するために、噴霧、フラッシュ、スワブ、浸漬、超音波、又はその他の手段で処理することができる。その最も単純な形態の場合、液状現像剤は、フォトパターン化可能な堆積阻害材料を被覆する際に溶剤として使用されたものと同じ液体であってよい。いくつかの事例において、フォトパターン化可能な堆積阻害材料は、これが最終的に除去されるべき場所で可溶性にされず、その代わりに、現像溶液に対する曝露中に発生する特定の反応を受けやすくされ、次いで溶解が可能になる。]
[0091] フォトパターン化された堆積阻害材料が最終物品の一部であることを意図されないパターン化方法の場合、フォトパターン化された堆積阻害材料は、所定の領域のパターン化を成功させるために使用された後で除去されることが必要である。この除去は、プラズマ処理、特に酸素を含むプラズマ、溶剤系ストリッピング、及び機械的手段又は接着手段を含む、当業者に知られた任意の手段によって達成することができる。]
[0092] 本発明のパターン化薄膜の製造方法は、最大支持温度300℃未満、より好ましくは250℃未満、又はおよそ室温の温度(25℃〜70℃)でも行うことができる。ここに含まれる本発明に関する知識を持っているならば、温度選択は一般に、当業者に知られている支持体及び処理パラメータに応じて行う。これらの温度は伝統的な集積回路及び半導体の処理温度を十分に下回る。これにより、種々の比較的低廉な支持体、例えば可撓性高分子支持体のいずれかの使用が可能になる。このように、この方法は、性能が著しく改善された薄膜トランジスタを含有する比較的低廉な回路の製造を可能にする。]
[0093] 1つの好ましい態様の場合、本発明の方法は、大面積のウェブ・ベース基板上の薄膜のパターン化に適合することができ、また改善されたスループット速度を達成することができる薄膜を製造することに対する従来のアプローチからの有意義な脱却を提供する。]
[0094] 本発明の方法は、大気圧又は近大気圧での動作を可能にし、また、密閉されていない又はオープンエア環境内で動作することができる。]
[0095] 堆積阻害材料をパターン化した後で薄膜として堆積される機能層は、金属であるか又は金属含有化合物を含む種々の無機薄膜を含む。このような金属含有化合物は、例えば(周期表に関して)V族又はVI族アニオンを含む。このような金属含有化合物は、例えば、亜鉛、アルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、又はインジウムの酸化物、窒化物、硫化物又はリン化物、又はこれらの組み合わせを含むことができる。金属は、例えば銅、タングステン、アルミニウム、ニッケル、ルテニウム、又はロジウムを含む。]
[0096] この方法を用いて形成することができる酸化物の一例としては、酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、及び酸化錫などが挙げられる。本発明の方法を用いて形成することができる混合構造酸化物は、例えばInZnOを含むことができる。本発明の方法を用いて形成することができるドープ型材料は、例えばZnO:Al、MgxZn1-xO、及びLiZnOを含むことができる。]
[0097] 本発明の方法を用いて形成することができる金属の一例としては、銅、タングステン、アルミニウム、ニッケル、ルテニウム、及びロジウムが挙げられる。当業者には明らかなように、2種、3種又は4種以上の金属の合金を堆積することができ、2種、3種又は4種以上の成分と一緒に化合物を堆積することができ、また等級フィルム及びナノ−ラミネートのようなものを製造することもできる。]
[0098] ALD薄膜法で堆積することができる機能材料の種々の前駆体に関しては、Handbook of Thin Film Process Technology, Vol. 1, Glocker及びShah編, Institute of Physics (IOP) Publishing, Philadelphia 1995, 第B1.5:1〜B1.5:16頁(本明細書中に引用する);Handbook of Thin Film Material, Nalwa編, Vol.1, 第103〜159頁(前者の参考文献のTable V1.5.1を含めて本明細書中に引用する)を参照されたい。]
[0099] 機能材料を堆積するためにALD法が用いられるこの方法の1つの態様の場合、フォトパターン化可能な堆積阻害材料が適用されている所与の基板領域を、500ミリ秒未満にわたって、好ましくは100ミリ秒未満にわたってガス流に暴露する。好ましくは、堆積中の基板の温度は300℃未満、より好ましくは250℃未満である。]
[0100] 例えば、1つの特定の用途において、各O−Mサイクルが、処理された表面の1/4にわたって1原子直径の層を形成することが判った。従って、処理された表面の均一な1原子直径層を形成するためには、4サイクルがこの場合必要となる。同様に、この事例において均一な10原子直径層を形成するためには、40サイクルが必要となる。]
[0101] 被覆装置の説明
下記薄膜例の全ては、図3及び4に示されている流れ機構を使用する。この流れ機構には、酸素及び水汚染物を1ppm未満まで除去するために精製された窒素ガス流81を供給する。ガスをマニホルドによっていくつかの流量計に迂回させる。これらの流量計は、パージガス、及び反応性前駆体を選択するためにバブラーを通って迂回されるガスの流量を制御する。窒素の供給に加えて、空気流90も装置に供給する。空気は湿分を除去するように前処理する。] 図3
[0102] 下記流れをALD被覆装置に供給する:窒素ガス中に希釈された金属前駆体を含有する金属前駆体流92;窒素ガス中に希釈された非金属前駆体又は酸化剤を含有する酸化剤含有流93;不活性ガスだけから成る窒素パージ流95。これらの流動体の組成及び流量を下記のように制御する。]
[0103] ガス・バブラー82は、液体ジエチル亜鉛(DEZ)を含有する。流量計85は、ジエチル亜鉛バブラー82へ純窒素流を供給する。バブラー82の出力は、今やそれぞれの前駆体溶液で飽和された窒素ガスを含有する。]
[0104] ガス・バブラー83は液体ジメチルアルミニウムイソプロポキシド(DMAI)を含有する。ガス・バブラー86は、ジメチルアルミニウムイソプロポキシド・バブラー83へ純窒素流を供給する。バブラー83の出力は、今やそれぞれの前駆体溶液で飽和された窒素ガスを含有する。DMAIバブラー及びDEZバブラーの出力流を、流量計87から供給された窒素ガス希釈流と混合することにより、金属前駆体流92の流れ全体をもたらす。下記例において、流れは次の通りになる:
流量計85:ジエチル亜鉛バブラー流へ
流量計86:ジメチルアルミニウムイソプロポキシド・バブラー流へ
流量計87:金属前駆体希釈流へ]
[0105] ガス・バブラー84は、純水を室温で含有する。流量計88は、純窒素流をガス・バブラー84に供給し、その出力は飽和水蒸気流である。空気流が流量計91によって制御される。水バブラー出力及び空気流を、流量計89からの希釈流と混合させることにより、可変の水蒸気組成、窒素組成、及び総合的な流れを有する酸化剤含有流93の流れ全体を生成する。下記例において流れは次の通りになる:
流量計88:水バブラーへ
流量計89:酸化剤希釈流へ
流量計91:空気流へ]
[0106] 流量計94は、被覆装置に供給されることになっている純窒素流を制御する。]
[0107] 流動体又は流れ92,93及び95を次いで大気圧被覆用ヘッドに供給し、このヘッドにおいてこれらの流れは、図3に示されたチャネル又はマイクロチャンバ・スロットから導出される。細長いチャネルと基板97との間には、ほぼ0.15mm 30ミクロンのギャップ99が存在する。マイクロチャンバはほぼ2.5mm高さ、0.86mm幅であり、また76mmの被覆用ヘッドの長さにわたって延びている。このような形態の反応材料は、スロットの中央に供給され、そして前後から流出する。] 図3
[0108] 堆積を行うために、供給ヘッドを基板97の一部上に位置決めし、次いで矢印98によって示すように、基板97上を往復運動させる。往復サイクル長は32mmであった。往復サイクルの運動速度は30mm/秒である。]
[0109] 使用する材料
(1) 2.5 ×2.5平方インチにカットし、予めピラニア溶液中でクリーニングし、蒸留水、試薬エタノールで洗浄し、そして乾燥させたSiウエハー基板
(2)ジメチルアルミニウムイソプロポキシド(Strem Chemical Co.から商業的に入手可能)
(3)ジエチル亜鉛(Aldrich Chemical Co.から商業的に入手可能)]
[0110] DEHESIVE944は、Wacker Chemie AGによって供給されるビニル末端ジメチルシロキサンポリマーである。Crosslinker V24は、Wackerによって供給されるメチル水素ポリシロキサンである。Catalyst OLは、やはりWackerによって供給されるポリジメチルシロキサン中の有機白金錯体である。Crosslinker V24及びCatalyst OLは、ビニル末端シロキサンポリマー、例えばDEHESIVE 944の追加の硬化のために使用される。]
[0111] 950PMMAは、MicroChemによって供給される、ポリ(メチルメタクリレート)を基剤とするポジ型フォトレジストである。]
[0112] HNR-80、Waycoat Negative Resist Developer(WNRD)、及びOCGRinse 1は、Fujifilm Electronic Materialsから入手した。NHR-80は、キシレンとエチルベンゼンとの混合物中に分散された光架橋性材料として環化ゴム(ポリ(cis−イソプレン))を含有するUV感光性ネガ型フォトレジストである。WNRDは、ポリイソプレンを基剤とするネガ型レジストのためのキシレン・フリー現像剤であり、そしてHNR-80配合物のための現像剤として使用した。主としてブチルアセテートを含有するOCG Rinse 1は、現像工程に続いてHNR-80配合物のためのリンス剤として使用した。]
[0113] 感光性
IL440フォトレジスト放射計による公称放射計測定値を使用して、下記フォトパターン化可能な被膜の相対感光性を推定した。]
[0114] 例1
大気圧ALD法を用いたAl2O3誘電体層の調製
この例では、本発明の方法に従ってフォトパターン化された堆積阻害材料の上に適用することができるSiウエハー基板上のAl2O3層の薄膜被覆体の調製について記述する。Al2O3層及びZnO層を調製するために使用する装置は、米国特許出願第11/627,525号明細書中に詳細に説明されている。2.5×2.5平方インチ(62.5平方mm)のSiウエハーを、この装置のプラテン上に位置決めし、真空支援装置によって所定の場所に保持し、そして200℃まで加熱した。Si基板を有するプラテンを、活性前駆体ガス流を導く被覆用ヘッドの下に位置決めした。Siウエハー基板と被覆用ヘッドとの間の間隔を、マイクロメータを使用して30ミクロンに調節した。]
[0115] 被覆用ヘッドは、隔離されたチャネルを有し、これらのチャネルを通って、(1)不活性窒素ガス;(2)窒素と空気と水蒸気との混合物;及び(3)窒素中の活性アルキル金属蒸気(DMAI)の混合物が流れた。個々の質量流制御メータによって気密バブラー内に含有された純粋液体DMAIを通して窒素をバブリングすることにより、活性アルキル金属蒸気の流量を制御した。室温のDMAIの蒸気圧が比較的低いことにより、DMAIバブラー及び被覆用ヘッドへの供給ラインを60℃に加熱した。被覆用ヘッドの温度も60℃に維持した。バブラー内の純水を通る窒素のバブリング速度を調節することにより、水蒸気の流量を制御した。下記例1の表1に示された設定に個々のガスの流量を調節したら、指定されたサイクル数にわたって基板を横切るように被覆用ヘッドを振動させることにより、被覆プロセスを開始した。完成した被膜は、平均厚1125Åの完全に均一なAl2O3堆積物であった。]
[0116] ]
[0117] 例2
大気圧ALD法を用いたZnO半導体層の調製
この例では、本発明の方法に従ってフォトパターン化された堆積阻害材料の上に適用することができるSiウエハー基板上のZnO層の薄膜被覆体の調製について記述する。2.5×2.5平方インチ(62.5平方mm)のSiウエハーを、ALD装置のプラテン上に位置決めし、真空支援装置によって所定の場所に保持し、そして200℃まで加熱した。Si基板を有するプラテンを、活性前駆体ガス流を導く被覆用ヘッドの下に位置決めした。Siウエハー基板と被覆用ヘッドとの間の間隔を、マイクロメータを使用して30ミクロンまで調節した。]
[0118] 被覆用ヘッドは、隔離されたチャネルを有し、これらのチャネルを通って、(1)不活性窒素ガス;(2)窒素と空気と水蒸気との混合物;及び(3)窒素中の活性アルキル金属蒸気(ジエチル亜鉛、DEZ)の混合物が流れた。個々の質量流制御メータによって気密バブラー内に含有された純粋液体DEZを通して窒素をバブリングすることにより、活性アルキル金属蒸気の流量を制御した。バブラー内の純水を通る窒素のバブリング速度を調節することにより、水蒸気の流量を制御した。下記例2の表1に示された設定に個々のガスの流量を調節したら、指定されたサイクル数にわたって基板を横切るように被覆用ヘッドを振動させることにより、被覆プロセスを開始した。完成した被膜は、平均厚565Åの完全に均一なZnO堆積物であった。]
[0119] 比較例3
大気圧ALD法を用いたフォトパターン化されたオルガノシロキサン堆積阻害材料によるパターン化Al2O3誘電体層の調製
本発明の方法と比較するためのこの例では、フォトパターン化の効果がない堆積阻害材料を記述する。Siウエハー基板、パターン化されたSADポリマー層、SADポリマーが覆っていない領域内に堆積された1100Å厚のAl2O3誘電体層から成る、パターン化されたAl2O3層(試料2)の薄膜を調製した。]
[0120] Dehesive 944の部分A及び部分Bの溶液を、表2に指定した処方に従って、トルエンとヘプタンとの混合物中に成分を溶解することにより調製した。次いで、等しい量の部分Aと部分Bとを混合し、トルエンとヘプタンとの混合物(33/48比)を使用して10倍だけ希釈することにより、Dehesive 944の原液を形成した。]
[0121] ]
[0122] パターン化堆積阻害ポリマー層を、下記工程に従って調製した:
1. 950PMMAのアニソール/トルエン0.4%溶液5部と、DEHESIVE944ポリシロキサンのトルエン/ヘプタン溶液1部との混合物を3000rpmでスピン塗布する。
2. 1〜2分間にわたって120〜180℃で加熱した後、窒素の存在において、格子線状パターンのフォトマスクを通して、被覆された試料を5〜15分間にわたって深UV下で露光した。
3. 次いで露光された試料を、45〜90秒間にわたってトルエンによって現像し、続いて3回濯いだ。露光された領域を現像工程中に除去した。]
[0123] パターン化された堆積阻害ポリマー層を有する基板に、次いでAl2O3堆積を施した。上記例1における手順と同様に、パターン化されたAl2O3被膜を調製する。完成したパターン化被膜は、Al2O3ラインのシャープな格子線パターンとして現れた。堆積は高選択的であったが、このフォトパターン化可能な堆積阻害材料配合物の感光性は、250nmにおいてほぼ3400mJ/cm2であり、これは、パターン化被膜の実際の製造にとっては有効感光度が余りにも低いものであった。]
[0124] 比較例4
シロキサンを含まないフォトパターン化可能な被膜上のAl2O3層の堆積
本発明の方法と比較するためのこの例では、オルガノシロキサンを含有しないフォトパターン化可能な材料を記述する。Siウエハーの半分にスコッチテープを貼り、そしてHNR-80フォトレジストを、テープを貼っていない半分にスピン塗布した。テープを除去し、そしてフォトレジスト被膜を製造業者の推奨に従って露光して現像した。テープの側をメタノールで拭うことにより、テープ残留物(フォトレジスト被覆側は拭わなかった)を除去した。次いで、パターン化された堆積阻害ポリマー層を有する基板に、Al2O3堆積を施した。上記例1の手順と同様に、パターン化されたAl2O3被膜を調製する。堆積後には、ウエハーの保護されていない側に、平均厚1100Åの均一なAl2O3被膜が形成され、そしてフォトレジスト被覆側には980Åが堆積された。この結果は、フォトレジストが、アルミナの堆積を阻害する能力を僅かしか有していないことを示す。報告の便宜上、阻害力は、堆積阻害表面上に形成される薄膜が実質的にないような層の厚さ又はそれ以下の層の厚さとして定義される。ほぼ100mJ/cm2でしかないこのフォトレジストの感光度は、比較例3において記述したフォトパターン化可能な材料よりも著しく良好であった。しかし、このフォトパターン化可能な被膜の阻害力は僅か120Åにすぎず、これは、多くの典型的な用途にとっては余りにも薄いものであった。]
[0125] 例5
可視光硬化性堆積阻害剤による選択堆積
青光に対して感光するフォトパターン化可能な堆積阻害材料被膜を次のように調製した。光開始剤A(下記表3)の0.1%アニソール溶液を調製した。33部のトルエンと48部のヘプタンとの混合物中の1.08%のDEHESIVE944、0.002%のCrosslinker V2及び0.06%Catalyst OL、並びに0.85gのトルエンとを含有するdehesive溶液を調製した。トルエン中に溶解されたポリメチルメタクリレートの1%溶液3.3gと、TMPTAの10%トルエン溶液0.5gと、光開始剤溶液0.24gと、トルエン0.85gを含有する原液を調製した。この溶液に、0.5gのdehesive溶液を添加した。1グラムのこの原液を5gのトルエンで希釈した。溶液を2000RPMでスピン塗布し、1分間にわたって80℃でベーキングし、青光を使用して露光し、そしてMIBKを使用して現像し、ネガ型レジスト画像を形成した。このフォトパターン化可能な被膜の感光度はほぼ5mJ/cm2であり、比較例3に記載されたフォトパターン化可能材料よりも3桁近く高い感光性を有した。感光性被膜を現像した後、フォトパターン化された堆積阻害材料によってマスキングされていない領域上に、酸化アルミニウム被膜を選択的に堆積した。上記例1の手順と同様に、パターン化されたAl2O3被膜を調製した。偏光解析データは、フォトパターン化された堆積阻害剤被膜の阻害力が500オングストロームであることを示した。]
[0126] ]
[0127] 例6
フォトパターン化可能な堆積阻害材料上の選択的なAl2O3堆積
この例では、被覆用溶液にオルガノシロキサンを添加し、そして結果としての被膜をUV光パターンに暴露し、現像することを除けば、例4と同様にフォトパターン化可能な被膜を調製する。フォトパターン化された堆積阻害材料上にアルミナ層を選択的に堆積する。]
[0128] 33部のトルエンと48部のヘプタンとの混合物中の0.108%のDEHESIVE944、0.0002%のCrosslinker V24及び0.006%のCatalyst OLを含有するdehesive溶液を調製した。1.25gのHNR−80、23.75gのトルエン、及び0.5gのdehesive溶液を含有する被覆用溶液を調製した。結果として生じた溶液を2000RPMで1分間にわたってスピン塗布し、1分間にわたって90℃でベーキングし、UV光パターンで露光し、WNRD中に現像し、そしてOCGRinseで濯いだ。次いで、フォトパターン化された堆積阻害ポリマー層を有する基板にAl2O3堆積を施した。上記比較例1の手順と同様に、パターン化されたAl2O3被膜を調製する。偏光データは、フォトパターン化された堆積阻害剤被膜の阻害力が750オングストロームであり、比較例4からの結果よりも著しく良好であることを示した。]
実施例

[0129] 例7
シロキサンを含むフォトパターン化可能な被膜上のZnO層の堆積
可視光増感剤9−フルオレノンを被覆用溶液に添加し、そして被膜を青光パターンに暴露することを除けば、上記例6に関して記述された手順に従って、フォトパターン化可能な堆積阻害材料被膜を調製し、露光し、そして現像した。例6のために使用された5gの被覆用溶液に、9−フルオレノンの1%キシレン溶液0.04gを添加した。結果としての溶液を被覆し、青光パターンに暴露し、そして例6と同じ手順を用いて現像した。感光性被膜を現像した後、比較例2と同じ被覆装置を使用して、フォトパターン化された堆積阻害材料によってマスキングされていない領域上に、酸化亜鉛被膜を選択的に堆積した。偏光解析データは、フォトパターン化可能な被膜C−12の阻害力が850オングストロームであることを示した。]
权利要求:

請求項1
パターン化薄膜を形成する方法であって:(a)基板を用意する工程、(b)該基板に、オルガノシロキサンを含むフォトパターン化可能な堆積阻害材料を含む組成物を適用する工程、(c)該フォトパターン化可能な堆積阻害材料を画像形成化学線に暴露することにより、被覆されたままの第1状態とは異なる露光された第2状態の堆積阻害材料から構成されるパターンを形成する工程、(d)該露光されたフォトパターン化可能な堆積阻害材料を処理することにより、該堆積阻害材料をパターン化して、該堆積阻害材料を事実上有さない選択された領域を提供する工程、そして(e)気相堆積法によって該基板上に機能材料層を堆積する工程、を含み、該機能材料が、該堆積阻害材料を有さない該選択された基板領域内だけに実質的に堆積される、パターン化薄膜を形成する方法。
請求項2
該機能材料を堆積した後で、該堆積阻害材料を除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
請求項3
該オルガノシロキサンが、架橋されたビニル末端シロキサンを含むポリマーである、請求項1に記載の方法。
請求項4
該オルガノシロキサンが、フッ素化又は部分フッ素化オルガノシロキサンである、請求項1に記載の方法。
請求項5
該フォトパターン化可能な堆積阻害材料が、励起状態に達するために画像形成化学線を吸収することができる色素を光開始剤として含有する、エチレン付加重合のための開始剤系をさらに含む、請求項1に記載の方法。
請求項6
前記フォトパターン化可能な堆積阻害材料が、オルガノシロキサンに加えて、モノマー、オリゴマー、又は架橋可能なポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され、そして標準圧力で100℃を上回る沸点を有する少なくとも1種の付加重合性エチレン系不飽和化合物を含むフォトパターン化可能材料をさらに含む、請求項1に記載の方法。
請求項7
該フォトパターン化可能材料が多官能性アクリレートである、請求項6に記載の方法。
請求項8
該フォトパターン化可能な堆積阻害材料が、環化ポリ(cis−イソプレン)を含み、そしてビスアジドでUV線に対して増感され、任意選択的に色素増感剤で可視波長に対して増感されたフォトパターン化可能材料をさらに含む、請求項1に記載の方法。
請求項9
前記オルガノシロキサンがフォトパターン化可能であり、そしてモノマー、オリゴマー、又は架橋可能なポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され、そして標準圧力で100℃を上回る沸点を有する少なくとも1種の付加重合性エチレン系不飽和化合物を含む、請求項1に記載の方法。
請求項10
該フォトパターン化可能な堆積阻害材料が、フォトマスクを通して、又はフォトマスクが存在しない場合にはレーザーを使用して、化学線に暴露される、請求項1に記載の方法。
請求項11
該機能材料が、金属であるか、又は金属含有化合物を含む、請求項1に記載の方法。
請求項12
該金属含有化合物が、V族又はVI族アニオンを含む、請求項11に記載の方法。
請求項13
該金属含有化合物が、酸化物、窒化物、硫化物、又はリン化物である、請求項11に記載の方法。
請求項14
該金属含有化合物が、亜鉛、アルミニウム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、及び/又はインジウムを含有する、請求項11に記載の方法。
請求項15
該金属が、銅、タングステン、アルミニウム、ニッケル、ルテニウム、又はロジウムである、請求項11に記載の方法。
請求項16
該フォトパターン化可能な堆積阻害材料の使用中の阻害力が、少なくとも500Åである、請求項1に記載の方法。
請求項17
該機能材料が、気相堆積法、化学蒸着法、又は原子層堆積法によって堆積される、請求項1に記載の方法。
請求項18
該原子層堆積法が空間依存性ALDを含む、請求項17に記載の方法。
請求項19
請求項1に記載の方法を用いて製造された電子デバイスであって、該電子デバイスが、集積回路、アクティブ・マトリックス・ディスプレイ、太陽電池、アクティブ・マトリックス撮像装置、センサ、及びrf価格ラベル、識別ラベル、又は在庫ラベルから成る群から選択される、電子デバイス。
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申请号 | 申请日 | 专利标题
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